僕は趣味でギターをやっており、普段スコアを作成するときはGuitar Proを使っています。
ただ、シンプルにコード進行だけを記したコード譜を作りたいと思ったときに、Guitar Proよりも作りやすいものはないかと探していました。
iReal Proはコード進行だけを表示し、さらにマイナスワンを自動的に作ってくれる超便利アプリですがiOSやMac限定です。
WordやExcelなんかを駆使して作るという手もありますが、小節内でコードが動く場合何拍分かといったことや繰り返しについても記すとなると結構煩雑です。
楽譜編集ソフトとして有名なのはFinaleですが、高額なためこの用途だけに使うには役不足です。
そこでOSSのMuseScoreを使ってみることにしました。使ってみた感想と設定や操作方法の覚え書きをしておきます。
MuseScore とは
MuseScoreはベルギーで開発されているOSSの楽譜編集ソフトとのこと。海外製ですが日本語化もばっちりできています。
WindowsでもMacでも対応しているようですので、デバイスを問わず使うことができます。
タブ譜も取り扱うこともできますが、オーケストラのスコアを作成できるなどギターを専門とするGuitar Proとは一線を画するソフトです。Finaleに近い感じでしょうか。
MuseScoreをコード譜として使うための設定
起動して曲名や調などの基本的な設定をして立ち上がる最初の画面です。
シンプルで見やすいですね。サブタイトルは未入力だと「サブタイトル」と出ちゃいますので、選択して削除します。
最終的にこんな感じのスコアに仕上げます。
スラッシュで埋める
コード進行だけがわかればいいので五線譜は拍さえわかればOKです。
小節を選択し、メニューバーのツールから「スラッシュで埋める」を実行すると1拍ずつスラッシュが入ります。
このスラッシュを選択し、Ctrl + Kキー を押すことでコードネームを記入できます。
m7♭5と記述するのは長ったらしいので代わりに「Ø (ハーフディミニッシュ)」を使いたいところ。「0 (ゼロ)」を記述することで自動的に「Ø」に変換してくれます。
ディミニッシュコードを「○」で記述する場合は、「o (小文字のオー)」でディミニッシュとして解釈してくれるのですが、見た目は普通に小文字のオーになっちゃうのでそこは「dim」と記述しておきます。
ちなみに僕は、実際に鳴っているのがテトラッドだとしてもトライアドで記述するというルールでやっています。その方が見ためがスッキリするので。テンションやaddの記述も省略します。コード進行で重要な役割を担うドミナント7thや、マイナーII-Vを示すハーフディミニッシュといったテトラッドは記述します。
組段を整える
曲全体の構成をわかりやすくするには組段を整えないといけません。
組段を整えたい小節を選択し、メニューバーのフォーマットから「段の折り返しを追加/削除」へ。
何小節ごとに段を折り返すか設定します。
スタイルの設定
デフォルトの設定だとデザインが気になるところが多いですが、スタイルを設定してやればお好みのデザインに変えることができます。
- 最初の小節のインデントが不要
- セーニョやコーダなどの記号の位置が低い
- 「A」など練習番号の位置が低い
- 「1」「2」といった反復記号の位置が低い
- 「To Coda」などのジャンプに関する記述の位置が低い
2~4については、コードネームが記述されたところではそれを避けてちょうどいい位置に動いてくれますが、そうでない場合はコードネームと同じ高さに表示されてわかりにくいです。任意の場所に動かすことも可能ですが、それぞれ別々に動かす必要があり位置が不揃いになるので気持ち悪いです。
メニューバーのフォーマットから「スタイル」へ進み、各設定を変更します。
No | 項目 | 変更箇所 | 変更後の値 |
---|---|---|---|
1 | スコア | 最初の段のインデントを有効化 | チェックを外す |
2 | テキストのスタイル | 「Repeat text left」のオフセット: Y: | -5.00sp |
3 | 練習番号 | 上位置: Y: | -5.00sp |
4 | 反復記号 | 上位置: Y: | -5.00sp |
5 | テキストのスタイル | 「Repeat text right」のオフセット: Y: | -5.00sp |
以上で設定完了です。スタイルについては保存しておけば、簡単に呼び出すことができます。
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