マイラインやISDN (INSネット) の終了について

制度の変更やサービス終了に便乗して関係のない商材を売りつけようとしてくる業者って鬱陶しいですよね。

最近だとマイラインやINSネットの終了に便乗してアポ電してくる輩が多いこと多いこと。しかもNTTの名前を出して電話をかけてくるからたちが悪い。僕は知っています。NTTという名前のつく業者は山ほどあって玉石混交であることを。

マイライン関係のアポ電は年末頃になるとあまりかかってこなくなって落ち着いたかと思いきや、今日だけで2件電話がありました。どうやら活動を再開したようです。流行りのマルウェアかよ。

知識は武器、ということでマイラインやINSネットについておさらいしておきましょう。詳細に理解しておけば業者が言ってくることの不要さがわかるはずです。

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迷惑業者の手口

まずはさらっと迷惑業者の手口をおさらいします。

彼らは怪しまれないようにNTTが付いた社名、もしくはNTTの特約店や代理店を名乗って電話をかけてきます。先日電話を受けたところに至っては「NTT◯日本コミ◯ニケーションズです」とNTT◯日本とNTTコミ◯ニケーションズを足して2で割ったような社名を名乗ってきて笑いそうになりました。マジメにその社名にしてるならちょっと頭が心配です。

もし電話を取ったのが担当者ではない場合、しつこいぐらいに担当者や決済権のある人間を電話口に出そうとします。話の通じない人とやり取りしても時間の無駄ということでしょうか。ネットで調べているとこの手の意見が多かったですね。取り次ぎがやたらと強引だったらまず疑いましょう。

いざ話が進むと「いつもご利用ありがとうございます」と、あたかも普段から取引があるかのような口ぶりで喋ってきます。ここが迷いを生むポイントで、NTTには下請け業者が多数あるので、もしかするとマジでお世話になってる可能性を感じさせます。ただ、このセリフを聞きすぎて、わざわざ言う奴は新規営業と思うようにすらなってきました。

そして回線の切り替えが必要などといった話をしてきます。制度が変わるだの、料金が安くなるといったもっともらしい理由です。ただ、詳細をここでは話さずに訪問して説明すると言ってアポを取りたがります。相手の陣地に入ることが重要なんでしょうね。迷惑ですね。

電話番号や会社名で検索するとヒントが出てくる

露骨に悪徳業者だとわかれば簡単なのですが、相手もそういう教育をされているのでしょうか尻尾は簡単には出しません。

相手が悪徳業者か判断する簡単な方法として、電話番号や会社名でググると実際に電話を受けた人の投稿コメント付きの情報サイトが出てきます。

そのコメントを見るとどういう手法で話が進んでいくかといった内容もよく書かれており、「あ、全く同じだ」と疑念が確証に変わります。

ISDNとは

この手の営業電話は無知な客を獲物にしているので、知識があって不要だと判断できれば問題ないわけです。騙されないように勉強しましょう。

まずはISDNの基礎知識から。電話回線で原始的なものにアナログ回線があります。メタル線 (銅線) を使った糸電話みたいなものです。1回線で同時に1通話しかできません。

デジタル回線はアナログ回線と同じくメタル線を使いますが、音声をそのまま伝送するのではなくデジタル信号に変換して伝送します。デジタル回線でのみ構築された電話網をISDN (Integrated Services Digital Network) と呼びます。

ISDNでは音声だけでなくデータも伝送することができるので、電話だけでなくインターネットにも使えるというわけです。日本ではNTT東西日本がINSネットというサービス名で提供しています。

INSネットの”データ通信サービス”が2024年1月に終了

固定電話のIP網移行に伴い、INSネットの”データ通信サービス”が2024年1月から、地域ごとの段階的な終了を予定しています。

ISDNすべての機能が使えなくなるわけではなく、”通話モード”については引き続き利用が可能です。

つまり、ISDNを使用したインターネットなどの通信はできなくなるが、電話はこれまで通り使えるということです。

固定電話(加入電話・INSネット)のIP網移行|NTT西日本
IP網移行に伴う西日本エリアの固定電話(加入電話・INSネット)設備切替えに関するご案内です。
「INSネット」をご利用の事業者さまへ|固定電話(加入電話・INSネット)のIP網移行|NTT西日本
IP網移行に伴う西日本エリアの固定電話(加入電話・INSネット)設備切替えに関するご案内です。ご利用中の事業者さまは事前にご確認の上、今後の対応について検討ください。

詳細は上記のリンクに書かれており、INSネット終了による事業への影響の例がいくつか載っています。もし使用していれば致命的なものばかりですが、影響があるならばシステムを入れているベンダーが間違いなく対応するはずです。

データ通信サービスを使用しているかどうかの確認でもっとも簡単なのはNTTから届く請求書を見ることで、「INS通信量」が記載されていれば使用していると判断できます(「INS通話料」は通話モードの方なので注意)ただし、この方法は使用がごく少量だったり、NTT西日本以外の通信会社をマイラインに登録している場合には記載されない場合があります。

マイラインとは

マイライン/マイラインプラス|セット利用で電話料金を安く|NTT西日本
お客さまが優先してご利用になりたい電話会社を選択し、あらかじめ登録することで、“00XY”など電話会社の識別番号をダイヤルすることなく利用できます。

マイラインとは、本来電話をかける時には、

[電話会社の識別番号] + [市外局番] + [市内局番] + [加入者番号]

の番号を入力しないといけなかったのが、マイラインに登録することで電話会社の識別番号が不要となり、さらに市内通話であれば市外局番も不要になるというものです。

僕が物心ついた時には近所にかける時は市外局番無しでかけていたので、知らない間にマイラインの恩恵を受けていたのですね。

マイラインも2024年1月に終了

このマイラインもIP網移行に伴い2024年1月から段階的に終了します。

終了した後はマイライン登録しているKDDIかソフトバンク、登録していない場合はNTTの電話サービスへ自動的に移行します。

マイライン終了に伴い何が変わるかというと、固定電話の通話料について従来は距離によって変わっていたのが一律になります。それに伴い各社が行っている通話料割引サービスが廃止されるといった影響はあります。

これによって何か大きな不便が生じるということは無さそうです。せいぜい請求書の記載が変わってくるぐらいでしょうか。僕の会社でも経理宛にKDDIからマイライン終了により請求書の内容について説明の電話がありました。

他に使用できなくなるサービス

INSネットやマイライン以外にも、2024年1月に終了するサービスがいくつかあります。

提供終了するサービス|固定電話(加入電話・INSネット)のIP網移行|NTT西日本
2024年1月に提供終了する固定電話(加入電話・INSネット)のサービスについてご案内です。

ただ、たいていは光電話などで同様のサービスが用意されているので、いきなり致命的な事態にはなり得ないかと思います。

変更内容が多岐に渡っているだけに、すべてを理解するのはなかなか面倒。その隙を突いて悪質な営業電話が横行しているという感じです。NTTも注意喚起しています。

IP網移行に便乗した悪質な販売行為にご注意ください|NTT西日本
固定電話(加入電話・INSネット)のご注意についてのご案内です。

なんか怪しいなと思ったらこの記事の前半に書いてあることを思い出してみてください。

『基礎からのIT担当者リテラシー』

この記事で書いたISDNの説明は、実はほぼ『基礎からのIT担当者リテラシー』という本を参考にしました。

この本はこれから情シスになる人や、社内のIT環境について知りたい人にはおすすめです。

ITリテラシーというとパソコンやネットワークのことばかり注目してしまいますし、そういったことしか書かれていないことが多いのですが、この本は電話のことも書いてくれています。

僕はパソコンとかパソコンに関連するものについては結構知識があるのですが、電話は結構素人です。でも情シスになると電話のことも対応することがしばしば。基本的な知識を身につけるには良い本です。

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