
人気VTuberの星街すいせいさんが、個人事務所設立を発表し、公式Webサイトも公開されました。
ただ、新規会員登録の際にGmailとiCloudメールのメールアドレスを使用して登録をした場合、配信メールが受信できない状態になると発表されています。
これはGmailやiCloudメールの仕様であると案内されています。この仕様をあらかじめ知っておけば、この事態は防げたかもしれません。
新規ドメインは怪しい
新しいドメインは実績(レピュテーション)がありません。
スパムサイトやスパムメールは新規ドメインが使われることが多く、実績のないドメインから大量のメールが送信されるとスパム攻撃と誤認されやすいです。
本件について、Webサイトとメールで同じドメインが使われている前提でWhois情報を確認したところ取得は2026年2月24日でしたので、この事象で引っかかっている可能性が高いです。
ただ、プロダクトや組織を新たに作るとなると、リリースのスケジュールに合わせて取得することになりますからドメインに実績がないのは当然です。あまり早く取得するとその情報からリリース内容が推測できてしまうので、対応が難しいところではあります。
Webサイトは新規取得したドメインで運営し、メール送信だけは既に実績のある既存の事務所ドメインや、サブドメインを事前に温めておくといった方法が考えられます。
SPF、DKIM、DMARCの設定がされていない
GmailはSPF、DKIM、DMARCの設定がないメールを厳しく判定します。
SPFは送信元IPアドレスでサーバーを検証することによるなりすまし防止、DKIMは電子署名でメール内容の改ざん検知、DMARCはこれらの認証に失敗したメールの取扱方法を定めたルールです。
新しいドメインを取得した際、これらの設定が抜けたままメールの運用を開始してしまう場合があります。その結果Gmailのポリシーではスパムメールと判定してしまう可能性があります。
SPF、DKIM、DMARCの設定が反映されているかを判定するサイトがいくつかあり、上記のサイトは日本語でGmailの仕様に準拠しているかを確認できます。
本件で問題になっているドメインを入れてみたところ、SPFとDMARCの設定はされていますが、DKIMが未設定のようでした。特定の識別子(セレクタ)を使っている可能性もありますが、いずれにしてもGmail側が正しく認証できていないという事実は変わりません。
iCloudはGmailよりも厳しい
本件ではiCloudメールについても言及されていますが、Gmailよりも判定が厳しいです。
Gmailの場合は遅延や迷惑メールフォルダ入りになるケースが、iCloudメールの場合だと届く前に消滅(サイレントドロップ)することが多いです。
エラー通知すら出さずにメールが消去されてしまうため、ユーザーにとってはGmail以上に厄介な状況です。
メール受信ができないと致命的なケースも
本件も会員に適切なサービスを提供できていないという事態になっているため十分なインシデントでしょう。
とは言え、どういった場合に不具合が発生し、対処法を伝えられているのは良い対応だと思います。
メールは個人に対して重要な通知を行うのに使用するため、受信ができないと致命的な事態に陥るケースもあります。

記憶に新しいのは神奈川県の公立高校で、入試の出願システムからGmail宛にメールが届かず、出願システムへのユーザー登録ができないという事態になりました。
この件は行政の使用実績のあるドメインで発生しており、SPF、DKIM、DMARCの設定が原因ではないかと推測されていました。

Gmailは意地悪でこのような仕様にしているわけではなく、ユーザーがメールを安全に使用できるようにするための施策です。所有しているドメインでメールを使用する際は、設定や送信テストの確認をするようにしましょう。
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