他のオフィススイートと Google Workspace の共存を考察

僕が勤める会社で Google Workspace (以下GWS) の導入を検討していて、その提案書を作成しているのですが他のオフィススイートとの違いを明確に説明する必要があり、その内容を少し整理するための記事です。

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IT環境の現状

インフラやオフィススイートおよびグループウェアは下記の通り。いろいろ業務システムはありますが、GWSとの比較になりそうなところを挙げています。

メールソフトホスティングサービスのWEBメール
オフィススイートMicrosoft 365
グループウェアLINE WORKS

社内でのコミュニケーションは基本的にLINE WORKSを使用し、外部とのやり取りなどLINE WORKSではできない部分はメールを使用します。

GWS 導入検討のきっかけ

まず各事業所で公認・非公認にかかわらず既に無料のGoogleアカウントが作成されて使用されているという現状があり、シャドーITが進んでしまっています。

Gmailを使用する理由としてはフォーム、ドライブ、カレンダーが目的となることが多いです。

作成したいと要請があれば、妥当性を検討した上で個別にGoogleアカウントを作っていたのですが、これがいくつも増えてくると管理がとてつもなく大変です。

また、無料のGoogleアカウントの致命的な点は、組織が許可したというプロセスがあっても個人向けのアカウントに過ぎず、管理もその個人に委ねられます。ゆえにパスワードを変更されて退職されたとか、アカウントを乗っ取られたという状況になるとアカウントの復旧が困難になります。

そのため、新しい業務プロセスの提案というよりも、既に運用されているGoogleのサービスをより安全に使うために、コストをかけてでも管理できる体制にするために導入を検討しています。

Business Starter プランで検討中

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プランはBusiness Starterで考えていまして、理由は言わずもがな安いから。

Standardにするとドライブが1ユーザーあたり2TBになったり、予約スケジュールを作成できたりできますが、Starterと倍ぐらい変わってきますからね。このプランにするならば他を削ることも考える必要が出てきそうです。

このプランについて一つ罠がありまして、Plus以下のプランは300ユーザーが上限で、それ以上となるとEnterpriseプランにする必要があります。

Enterpriseプランは非公開で、ベンダーに確認する必要があります。ベンダーからもらった資料によると、Plusより200円高いぐらいの価格帯でした。ということでユーザーが300を超える運用をするとコストがかなり上がります。

ここで問題になるのはメールアドレスの数で、ホスティングサービスのメールであれば容量が許す限り作り放題なのですが、Gmailに移行してしまうとメールアドレス数は300以内に抑える必要があります。

そのため、メインのメールソフトはGmailに移行せずホスティングサービスのまま使用し、フォームとかドライブを使いたいという事業所や組織単位でGWSのアカウントを作成し、サブ的にGmailを活用してもらおうと考えています。

アカウント共有についての利用規約

事業所内でアカウントを共有して使うことを想定していましたが、どうやらそれはダメっぽい

Google アカウント(maria@solarmora.com など)は、1 人のユーザーによる使用が目的とされています。組織内の複数のユーザーがユーザー名とパスワードを共有して同じアカウントを頻繁に使用すると、ユーザーに対して以下の問題が発生することがあります。

アカウントのしきい値に達する – 複数のユーザーが同じアカウントを使用していると、アカウントがしきい値に達する可能性が高くなります。
本人確認または質問が表示される – 承認されていない人物がユーザー アカウントにアクセスしようとしている疑いがあると Google が判断した場合、その人物に対して追加のセキュリティ保護用の質問またはログイン時の本人確認の画面が提示されます。詳細
アカウントが一時的にロックされる – アカウントを使用しているユーザーがセキュリティ保護用の質問に答えられない場合や、ログイン時の本人確認を行えない場合、アカウントが一時的にロックされている可能性があります。
ヒント: ユーザーが別のメールアドレスを必要としている場合や、他のユーザーのメールアドレスを管理する場合は、メールアドレスの追加に関する記事をご覧ください。

https://support.google.com/a/answer/33330?hl=ja

個人というよりも事業所など組織で使うアカウントを作りたいので、使用する代表者を決めてアカウントを共有していないように振る舞うしかないということですかね。

他サービスの代替性

GWSを使う目的としてフォーム、ドライブ、カレンダーが主なのですが、他のアプリやサービスと比較して代替できるものはないか確認しておきます。

既に導入しているサービスで足りたり、他により良いサービスがあればGWSを導入する理由がなくなります。

フォーム

現在使用しているLINE WORKSにアンケート機能がありますが、基本的に社内でのアンケートに使用でき、外部も回答可能なモードもありますがLINEユーザーとしてつながっている必要があります。つまりクローズドなアンケートしかできません。

求められるのはLINEでつながっているといった条件はなしで回答が可能であることや、不特定多数の人が使用できるお問い合わせフォームのような用途です。Googleフォームはアクセスさえできれば回答できますし、Webサイトに埋め込むことも可能です。

アンケートやお問い合わせフォームを提供しているサービスは他にあります。

サービス名月額費用フォーム作成数ユーザー数
GWS680円 * アカウント数30GBまで無制限アカウント数
formrun3,880円~25,800円5個~無制限2~10人 (オプションで追加可)
tayori3,400円~7,400円3個~無制限3~10人
フォームズ1,266円~2,833円100個~50個 (OPで追加可)1~複数人

それぞれフォームに投稿する機能以外にもそれぞれ便利な機能をつけていますが、どうしてもフォームの作成数やユーザー数の制限が厳しめです。

GWSはアカウントさえ作ればフォームを作り放題ですし、それでいてフォーム以外のこともいろいろできるのでGWSに軍配が上がりそうです。

ドライブ

ドライブは日常使いのファイルストレージというよりは、大きいデータを外部に渡すときに重宝します。

メールでは容量が大きいと送れないですし、Web上のアップローダサービスはむやみやたらに使いたくないという印象。

LINE WORKSにもDriveという外部向けにURL経由でファイルを渡せる機能があるのですが、これがスタンダードプラン単体では使用できず、アドバンストプランに引き上げるかオプションで機能追加する必要があります。

コストをかけない限りは現状に代替性はありません。

カレンダー

カレンダーについてはLINE WORKSにもありますし、これにいたってはLINE WORKSで予定の共有を行いたいところ。

ただ、LINE WORKSのカレンダーは外部との連携があまり充実していません。一方のGWSのカレンダーであれば、外部サービスやGoogleアプリとの親和性が良いのがメリットです。

また、LINE WORKSのカレンダーにGWSのカレンダーを自動的にインポートできる機能があるようです。うまく使えば外部連携が必要な一部の予定だけGWSのカレンダーを利用し、基本的にLINE WORKSのカレンダーをメインで利用するという形で運用ができそうです。

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Officeソフト

GWSにはドキュメント、スプレッドシート、スライドのアプリがあり、それぞれMS OfficeのWord、Excel、PowerPointに相当します。

ほぼMS Officeと遜色なく使えますし、何より同時編集が可能なのがかなり重宝しそうです。

しかし、福祉業界では行政から指定のExcelファイルでのデータ提出を求められるなど、MS Officeの利用は不可避です。スプレッドシートに互換性があるので開くところまではいいのですが、たまにマクロ付きのファイルがあったりして厄介。そのマクロも操作を簡単にするというよりは手順を間違えないように制限する目的だったりと厄介な上に無駄なことが多い……。

あとAccessに相当するソフトがないんですよね。最近僕はAccessに対する期待値が上がってまして、業務プロセスに積極的に組み入れようと考えているだけに、MS Officeは今後も必要そうです。

チャット & Meet

チャットとMeetについてはLINE WORKSで事足りますし、とっつきやすさで考えればLINE WORKS以上のものはないと思います。また、Zoomの存在も忘れてはなりません。

LINE WORKSとZoomを制限しない限りはこれらは使われないでしょうね。

GASが使える

プログラミングの知識が必要なので応用的な使い方ではありますが、GASで業務の自動化が可能です。

メールからGoogleカレンダー

GWS Indivisualを使ってみようか検討中

ここまでGWS導入のポイントをまとめてみたのですが、GWSを実際に使ったことがないのでもしかするといろいろ理解が間違っているかもしれません。

個人向けにIndivisualプランも出ていますし、試しに入れてみるのもおもしろいかなと考えています。

Google Workspace Individual の詳細 - Google Workspace Individual ヘルプ
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